位牌(いはい)の選び方と作り方の基本
IHAI GUIDE
位牌とは
位牌は、故人の戒名(法名)・俗名・没年月日などを記し、故人の魂の依り代(よりしろ)としてお仏壇にお祀りする大切な仏具です。日々のお参りや年忌法要で手を合わせる、ご供養の中心となる存在です。
葬儀の際には仮の位牌として「白木位牌」を用い、四十九日法要までに漆塗りや唐木の「本位牌」へと作り替えるのが一般的です。本位牌は故人を永くお祀りするためのものですので、故人の人柄やお仏壇の雰囲気に合わせて、じっくりお選びください。
なーむくまちゃん工房では、伝統的な塗り位牌・唐木位牌から、モダン仏壇に馴染むおしゃれな家具調位牌まで豊富に取り揃え、自社で丁寧に文字入れを承っております。
位牌を作る時期と納期の目安
本位牌は、四十九日法要までに用意するのが最も一般的です。法要の際に僧侶に開眼供養(魂入れ)をしていただき、白木位牌から本位牌へと故人の魂を移します。
位牌の製作には、文字入れを含めて数日〜2週間程度、デザインや繁忙期(お盆・お彼岸前など)によっては1ヶ月ほどかかる場合があります。法要の日程が決まったら、余裕をもって2〜3週間前までにご注文いただくと安心です。
四十九日に間に合わない場合や、ご家族でじっくり相談して決めたい場合は、一周忌などの節目に合わせて作られても問題ありません。
位牌の材質と価格の目安
位牌の価格は、主に「材質」「塗りの工程数」「金箔や彫刻などの装飾」「サイズ」によって変わります。
| 種類 | 特徴 | 本体価格の目安 |
|---|---|---|
| 塗り位牌 | ヒバ材などに漆を塗り、金箔や金粉で装飾した伝統的な位牌。最も広く選ばれています。 | 約1万円〜 |
| 上塗り位牌 | 国内で塗り・箔押しを行い、中塗りの後に磨きと上塗りを重ねた上質な仕上がり。 | 約2万円〜 |
| 輪島塗位牌 | 本漆を何度も塗り重ねる伝統工芸。堅牢で重厚感のある最高級品です。 | 約10万円〜 |
| 唐木位牌 | 黒檀・紫檀など銘木の木目を活かした位牌。落ち着いた色合いで唐木仏壇やモダン仏壇によく合います。 | 約1万円〜 |
| モダン位牌 | ウォールナットや桜などの天然木、ガラス、アクリルなど、形にとらわれない自由なデザイン。家具調仏壇に自然に溶け込みます。 | 素材により様々 |
華やかな蒔絵や花模様をあしらった花位牌もございます。故人のお好きだったお花や色合いで選ばれる方も増えています。
位牌の形(デザイン)の種類
位牌には、札板の上部の形や台座のデザインによって様々な名称があります。ご先祖様の位牌と形を揃えたい場合の参考にしてください。
春日(かすが)
札の上部がゆるやかな半円を描く、最も基本的でシンプルな形。蓮の台座が付いた「蓮華付春日」もあります。
勝美(かつみ)
札の上部が三つの山形になった角切型の基本形。台座の足が猪目(ハート形)のものが多く見られます。
葵角切(あおいすみきり)
勝美とよく似た角切型で、台座の最下段が丁足になっているのが特徴です。
猫丸(ねこまる)
猫の手足のような丸みのある台座が特徴。札幅が広く、ご夫婦の連名位牌にも向いています。
千倉(ちくら)
華やかな彫りを施した6段の台座が特徴の、背の高い格式ある形です。
二重呂門(にじゅうろもん)
金の縁取りがない最もシンプルな形。札面を広く使え、どんなお仏壇にも合わせやすい位牌です。
ご先祖様の位牌が多くなったら「繰出位牌」
繰出位牌(くりだしいはい)は、戒名を記した薄い札板を複数枚(一般的に8〜10枚程度)納められる箱型の位牌です。お仏壇の中に位牌が並びきらなくなった場合や、コンパクトなお仏壇でご先祖様をまとめてお祀りしたい場合に便利です。
位牌のご注文から安置までの流れ
- 文字の内容を確認する白木位牌やお寺様からいただいた書き付けをもとに、戒名(法名)・俗名・没年月日・行年(享年)を確認します。一文字の違いも大切ですので、旧字体なども含めて正確にご確認ください。
- 位牌の種類・サイズを選ぶお仏壇の大きさやご本尊、ご先祖様の位牌とのバランスを見てお選びください。
- 文字入れを依頼するご注文時に文字内容をお知らせいただき、完成した位牌がお手元に届きます。
- 開眼供養を行う四十九日法要などの際に、お寺様に開眼供養(魂入れ)をしていただき、お仏壇に安置します。白木位牌はその後、お寺様にお納めするのが一般的です。
宗派による違いと日頃のお手入れ
- 浄土真宗の場合浄土真宗(本願寺派・大谷派など)では、基本的に位牌を用いず、「過去帳」や「法名軸」で故人をお祀りします。地域やお寺様の考え方によって異なる場合もありますので、事前に菩提寺へご確認ください。
- 日頃のお手入れ柔らかい毛ばたきや筆で、表面のホコリを優しく払ってください。水拭きや化学雑巾は塗装を傷める原因になります。金箔部分は擦ると剥がれやすく、素手で触れると指の脂で変色することがあるため、なるべく触れないようにしましょう。
- 置き場所の注意直射日光や湿気は色あせ・反り・塗装の剥がれの原因になります。湿気の多い季節はお仏壇の扉を少し開けて風を通してください。
位牌に関するよくあるご質問(Q&A)
位牌の大きさはどのように選べば良いですか?
お仏壇の中に安置したときに、ご本尊よりも高くならないサイズを選ぶのが基本です。すでにご先祖様の位牌がある場合は、同じ大きさか、ひと回り小さいものを選ぶとバランスよく並べられます。お仏壇の内寸と、位牌の「総高(台座を含めた全体の高さ)」を確認してお選びください。
夫婦で一つの位牌にすることはできますか?
はい、可能です。ご夫婦の戒名を並べて記す「夫婦位牌(連名位牌)」として作ることができます。先に亡くなられた方の戒名を入れ、片側を空けておき、後から追加で文字を入れることもできます。札幅の広い猫丸型などが連名に向いています。
仏壇を買い替えるとき、位牌も新しく作り替えて良いですか?
はい、作り替えても問題ありません。古くなって傷みが目立つ場合や、コンパクトなお仏壇に合わせてサイズやデザインを変えたい場合など、作り替えをされる方は多くいらっしゃいます。その際は菩提寺にご相談のうえ、古い位牌の閉眼供養(魂抜き)と、新しい位牌の開眼供養(魂入れ)を行っていただきましょう。
古い位牌や白木位牌はどのように処分すれば良いですか?
魂抜きをしていただいた後、お寺様にお焚き上げを依頼するのが一般的です。位牌は故人の依り代として大切にされてきたものですので、一般ごみとして処分することは避けましょう。お寺様とのお付き合いがない場合は、仏具店の供養サービスなどもご利用いただけます。
文字入れの内容はどこで確認すれば良いですか?
葬儀で使用した白木位牌に書かれている戒名(法名)や、お寺様からいただいた書き付けをご確認ください。俗名・没年月日・行年(享年)の書き方は宗派や地域によって異なる場合がありますので、ご不明な点は菩提寺にお尋ねいただくと確実です。

